裏面でおさえるマナー
裏面の構成について
原則としては、「賀詞」「日付」「氏名」の3つがあれば失礼にはあたりません。
年賀状を作成するにあたり、最も個性を出せるのが裏面です。
豊富なデザインからお好みの絵柄を選んだり、写真やイラストを載せてみるなど自由にレイアウトして楽しんでみましょう。
ただし、年賀状としての体裁を壊すことがあっては先様にも失礼になりますので、一般的に年賀状を成り立たせる次の「5つの要素」を知っておくと良いでしょう。
① |
賀詞 | 文頭に入れる新年を祝う言葉 |
② |
お礼 | 昨年お世話になったことに対するお礼の言葉 |
③ |
指導のお願い | 今後の支援や厚情をお願いする言葉 |
④ |
繁栄祈願 | 先様の健康や繁栄を祈る言葉 |
⑤ |
日付・年号 | 「平成●年 元旦」もしくは「平成●年1月1日」 |
⑥ |
差出人の情報 | 表面に書いていない場合は左下に書きます |
①の賀詞は、新年を祝う言葉でメインとなりますので大きめに書きましょう。
続く②③④の本文は、全体的なバランスをみつつ、賀詞よりも小さめの文字で書きます。
相手との関係によっては②③を省いたり、④を省いたりと、文脈の流れが自然な形であれば自由にアレンジして構いません。
※年号については、西暦で書いても問題ありません。ただし、併記すると誤りになります。
賀詞の選び方
賀詞には「寿」「迎春」「謹賀新年」「新年おめでとうございます」といったように、長い言葉から漢字1文字の短いものまで多々ありますが、1文字や2文字の賀詞は目下の人向け、4文字の賀詞は同僚や後輩、目下の人向け・・・といったマナーがありますので、何も知らずに1文字や2文字の賀詞を使用していますと、もしも先様が目上の方であった場合などは大変な失礼にあたります。
従って、賀詞の選び方は裏面において最も注意したいマナーの一つです。
(種類) | (賀詞の例) | (適した相手) |
1文字 | 寿、福、春、賀、慶、禮 | 後輩・目下の人 |
2文字 | 賀正、迎春、賀春、初春、頌春、年賀 | 友人・目下の人 |
4文字 | 謹賀新年、恭賀新春、慶雲昌光、瑞祥新春、敬頌新禧 | 目上の方 |
文章型 | 新春のお慶びを申し上げます 謹んで初春のお喜びを申し上げます 新年おめでとうございます 明けましておめでとうございます |
誰にでも使える |
外国語 | Happy New Year | 友人・親しい人 |
※「意味の重複する言葉」に注意!!
賀詞と本文とで、意味が重複する言葉を使わないように注意しましょう。
例えば「新年」には「年があけた」という意味が含まれていますので、「新年あけましておめでとう」と書いてしまうと誤りになります。これはイラストなどに漢字の賀詞が入っている場合に、本文の文頭で賀詞を入れた場合も同様です。
また、「元旦」は、それだけで「1月1日の朝」を意味しますので、「平成○年 元旦」が正しく、「平成○年1月1日元旦」「平成○年1月元旦」などはどちらも誤りとなります。
なお「Happy New Year」は、文頭に「A」を入れてしまうと「良いお年を迎えましょう」という意味になってしまい、元旦の挨拶としては間違いになりますので注意が必要です。
挨拶文(本文)の文例
挨拶文には「、」や「。」などの句読点を使用しないマナーがあります。
これは年賀状に限った話ではありませんが、句読点とは元々、文字をうまく読めない人が読みやすいように使われ始めたと言われており、一般的に「相手に敬意を払った文章には使用しない」というのが昔からの慣例になります。
もしも文章が長くなる時には、改行やスペースを使って調整するのが良いでしょう。
また、慶事ではお馴染みですが「忌み言葉」にも注意が必要です。
特に、注意したつもりがやってしまいがちなのが「去年」という言葉で、「去」には「別れる」「離れる」といった意味が含まれてますので、「旧年・昨年」とするのがマナーです。
これも年賀状に限らない慶事のマナーです。
< 以下、文例 >
旧年中は格別のご愛顧をいただき誠にありがとうございました
本年が皆様にとって幸多き年となりますようお祈り申し上げます
本年も何卒ご愛顧のほどお願い申し上げます
昨年中に賜りました格別のご厚情を深謝申し上げます
本年も相変わらずご愛顧のほどお願い申し上げます
旧年中はご高配にあずかり誠にありがとうございました
皆様のますますのご繁栄を祈念いたします
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます
※年賀状作成ソフトや年賀状印刷サービスを利用すれば、挨拶文も例文から選択するだけで良いケースが殆どです。ただし全てが印刷の場合、たとえ手間がかかっていたとしても、先様には機械的で温もりのない印象を与えてしまいがちです。なるべくなら、挨拶文の意味の確認も含め、一筆でも構いませんので手書きの言葉を添えるよう心がけましょう。
写真・イラストについて
まず知っておきたいのは、年賀状は先様と新年を祝うものであるという点です。
小さなお子様やペットの写真はとても私的な印象が強いため、先様との関係性によっては新年の挨拶に相応しくありません。上司や取引先など、あらたまった相手には出さない方が無難といえます。
なお、同居していない家族や気の置けない友人などが相手の場合、あるいは家族ぐるみでお付き合いをしているような関係であれば、失礼にあたらない場合もあります。
もしも宛先の枚数分を一度に印刷されるようなら、印刷前にもう一度だけ、年賀状を届ける全ての方に相応しい写真かどうかを確認されると良いでしょう。
※どのような写真・イラストなら大丈夫かと確認したい場合は、各種の年賀状作成ソフトや雑誌、年賀状印刷サービスのサイトなどを見てみるのも一つの手です。いずれも、干支(十二支)や賀詞にちなんだ豊富なデザインが数え切れないほどありますので、きっと参考になると思います。